はじめに:在宅医療で人生の最期を自宅で迎えるという選択
こんにちは!今日は、当院で行っている在宅医療と、人生の選択における大切な考え方についてお話ししたいと思います。
当法人内「さがみはらファミリークリニック」にて、相模原市内(主に緑区・中央区)の患者様を対象に約10年間、訪問診療を行っています。
近年、人生の最期を自宅で迎えたいと希望される方が増え、それに応じて訪問診療を通じてサポートさせていただくケースも多くなっています。
その中で重要なのが「人生会議」や「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」です。この言葉、聞いたことはありますか?
人生会議とは?実は身近な意思決定の延長
「人生会議」とは、病気の進行や今後の治療方針について家族や医療者と話し合い、本人の希望を明確にしておくプロセスのこと。
聞くとちょっと難しそうに感じますが、実はこれ、私たちが日常的に行っている意思決定の延長なんです。
たとえば、今日の晩ご飯を決めるとき、家族と話し合うことも小さな「人生会議」の一つ。
「今日は和食がいいかな?」「いや、洋食にしよう!」と選択肢を出し合い、最終的に「じゃあ、パスタを作ろう」と決める流れは、実はACPと同じ構造です。
重要なのは、自分の希望をしっかり伝え、周りの人がそれを理解してくれること。
これが、病気や人生の選択においても大切な基盤になります。
在宅医療とACPのつながり
在宅医療では、患者様やご家族の意思を尊重することが何より大切です。
たとえば、
•「できるだけ家で穏やかに過ごしたい」
•「病院で治療を受けたいけど、負担が少ない方法がいい」
•「最期のときは家族に囲まれていたい」
こういった希望を、患者様と一緒に考え、実現していくのが私たちの役割です。
ACPを行うことで、患者様が安心して人生を歩めるようになります。
また、ご家族にとっても「本人が望んだ選択なんだ」という納得感を持つことができるので、心の負担が軽くなります。
日常生活での意思決定から学ぶこと
人生の大きな選択を考える前に、日々の小さな意思決定を振り返ってみましょう。
•朝、何を着ていくか選ぶ
•仕事や学校でのランチを決める
•友達と会う約束をする
これらはすべて、自分の価値観や希望に基づく意思決定です。
たとえば、
「今日は雨が降りそうだからレインブーツを履こう」と選ぶのは、自分の安全を優先した結果ですよね。
同じように、人生の大きな選択も、自分の価値観を見つめ直すことで、自然に答えが出てくるものです。
在宅医療で考える「その人らしい生き方」
ACPや人生会議は、決して「最期を決める」だけの話ではありません。
むしろ、「その人らしい生き方」を支えるための準備です。
たとえば、在宅医療ではこんな場面があります:
•長年好きだった音楽を聴きながら穏やかに過ごす時間
•家族と一緒に過ごし、感謝の気持ちを伝え合う時間
これらは、ACPを通じて意思が明確になるからこそ実現できること。
患者様にとってもご家族にとっても、より良い未来を描くきっかけになります。
最後に:人生の選択を楽しんでみましょう!
人生会議やACPと聞くと少し重たく感じるかもしれませんが、実は毎日の選択がその練習になっています。
まずは日常生活の中で、自分の好きなこと、やりたいことを大切にすることから始めてみましょう。
私たちは、訪問診療を通じて、患者様一人ひとりが「その人らしく」過ごせるお手伝いをしています。
もし在宅医療や人生会議に関心があれば、ぜひお気軽にご相談くださいね!
「あなたの大切な選択を、一緒に考えましょう。」
理事長 水上潤哉