はじめに:意思決定支援講義・第二弾!
おはようございます!
本日は、当院で行っている訪問診療の経験をもとに、意思決定支援についてお話しします。
今回のテーマは、「なぜACP(アドバンス・ケア・プランニング)が必要なのか?」です。
少子高齢化や家族関係の変化、医療の高度化など、現代の社会は大きく変化しています。
これらの背景をもとに、ACPの重要性をみなさんと一緒に考えてみましょう!
1. 高齢化と独居高齢者の増加:支え合う社会のために
日本では高齢化が進み、独居高齢者も年々増加しています。
一人暮らしの方が体調を崩したり、認知機能が低下したとき、自分の希望を周囲に伝えることが難しくなる場合があります。
そのため、元気なうちに「もしものときにどうしたいか」を考え、家族や医療者と共有しておくことがとても大切です。
たとえば、
•「病院ではなく、自宅で穏やかに過ごしたい」
•「延命治療は控えたい」
•「自分らしく過ごせることを優先したい」
このような希望を明確にしておくことで、いざというときに本人の意思が尊重されます。ACPは、このプロセスを支える考え方なのです。
2. 家族関係の変化:新しい形のつながりを考える
昔と比べて、家族の形も変化しています。
核家族化が進み、親子や兄弟が遠くに住んでいるケースも増えています。
また、疎遠になっている家族がいる場合、意思決定がスムーズにいかないことも少なくありません。
ACPでは、家族や信頼できる友人と話し合いを重ねることで、意思決定のサポート体制を整えます。
このプロセスを通じて、家族同士の絆が深まることもあります。
3. 医療の高度化:複雑な選択肢への対応
医療技術が進歩したことで、治療の選択肢も多様化しています。
•人工呼吸器や透析治療
•抗がん剤治療や緩和ケア
これらの選択肢を理解し、自分にとって最適な道を選ぶには、医療者との対話が欠かせません。
ACPを通じて事前に話し合うことで、医療者との連携がスムーズになり、本人の希望に沿った治療が受けられるようになります。
4. 災害時や緊急時に役立つACP
災害時や緊急の入院時には、普段通りの医療や介護が受けられなくなることがあります。
たとえば、
•地震や台風などの災害で避難を余儀なくされたとき
•急な病状悪化で病院に運ばれたとき
こんなときでも、ACPを通じて意思が共有されていれば、本人が望むケアを提供することが可能です。
特に在宅医療を受けている方の場合、災害時の備えとしてACPを考えておくことはとても有効です。
5. 未来を見据えた選択を楽しもう!
ACPというと「難しい話」「重たい話」と思われるかもしれませんが、実は未来を前向きに考える素晴らしいチャンスです。
「自分はどんな人生を送りたいか」「どんな最期を迎えたいか」を考えることで、今の生活もより充実したものになります。
たとえば、
•家族や友人と、人生でやりたいことリストを作る
•自分の好きな食べ物や趣味を語り合う
•笑いながら、明るい未来について話し合う
こういったポジティブな時間が、自然とACPにつながります。
「自分らしい未来をつくる選択を、今日から始めませんか?」
さて、私たちの時代は、先輩や上司に何か言われたら、はい、よろこんで!といって、二つ返事で答えていたのですが(出向1週間前に辞令みたいな、、、)、それが必ずしもよいことだけとはいけないため、時代とともに変えなければいけないところはあると思いますね。
みんなが心から、はい!よろこんで!と言える生活や仕事をできることが理想ですね!
理事長 水上潤哉